2010年度 春山合宿(3/7-3/14)

メンバー 千葉 佐々木 宮津

3月6日(土)

部室に小久保OBが見送りに来てくださる。小久保OBに見送られ予定通り上野駅まで移動する。急行能登の臨時列車化に伴い、上野駅には大変多くの人出がある。ホームに原田OB、野口OB、冨家OBが見送りに来てくださり、差し入れをいただく。その後、予定通り急行能登号で離京する。

出発日

3月7日(日) 雪  【宇奈月温泉駅-宇奈月尾根1043m付近】

予定通り宇奈月温泉駅に到着する。準備をして出発する。雪が降っている。スキー場までは圧雪されており、ラッセルはない。スキー場では雪崩に注意しながら、足首程のラッセルをして進んでいく。上部に行くと雪が腐っているため、わかんを着ける。平和の像の先は林道に添って進む。そこからは尾根上を進むが、黒部川側が切れており、所々数十cmの雪庇があるため、宇奈月谷側に寄るようにして登っていく。順調に進み、1043m付近の幕営予定地に到着する。

CT)宇奈月温泉駅(7:22)-平和の像(9:30)-1043m付近(13:57)

宇奈月温泉 林道 幕営地

3月8日(月) 曇  【1043m付近-1570m(烏帽子尾根合流地点)付近】

ハーネスを着けて出発する。幕場から直ぐの林道は昨夜の降雪で雪崩斜面となっていたため、ザイルを着けて1名ずつ通過する。1070m付近の岩稜は宇奈月谷側を通れたが、その先の夏道沿いに巻く予定だった箇所は、林道が非常に急な雪崩斜面となっていたために巻かず、手前の木が疎らに生えたやや急な斜面を通過する。1名が空身で登り、2名を引き上げてからロワーダウンして、ザックを背負って登り返した。そこからは脛から膝ほどのラッセルが続く。所々細い箇所があるため、慎重に進んでいく。P1431mの手前は雪壁状になっていたため、先ほどと同様に通過する。P1431mで昼食をとる。そこからは広く平坦になり、脛から膝ほどのラッセルをする。視界が悪いため慎重に進んでいく。1570m付近の烏帽子尾根との合流地点では、30cm程の雪庇を越えて上に出て、幕営予定地に到着する。

CT)1043m付近(5:56)-1080m付近(急斜面上、8:20)-P1431m(12:13-12:35)-1570m付近(14:36)

P1431m手前の雪庇 幕営地周辺

3月9日(火) 曇後雪  【1570m付近-僧ヶ岳-北駒ケ岳】

梱包の不手際で出発が遅れる。わかんを着けて出発する。曇で視界は良い。脛から膝ほどのラッセルをしながら進む。1600m付近までは東側に1?2m程度の雪庇が出ている箇所がある。僧ヶ岳までは広く緩やかで、木が疎らに出ている。僧ヶ岳山頂でハーネスとザイルを着ける。1780m付近の露岩は北又谷側を問題なく巻く。北駒ケ岳までは黒部川側に平均5m程の雪庇が出ているため、注意しながら進む。途中から雪が降り始める。視界も徐々に悪くなり、北駒ケ岳に着く頃には視程50m程になる。

CT)1570m付近(6:07)-僧ヶ岳(9:10-9:30)-北駒ケ岳(13:00)

朝の出発 僧ヶ岳山頂 僧ヶ岳から北駒ヶ岳を望む

3月10日(水) 雪  【北駒ケ岳-駒ケ岳】

視程が10m程しかないため、明るくなるまで待って出発する。わかん、ザイルを着けて出発する。駒ケ岳とのコルでは、大きい箇所で4?5m程の雪庇が出ている。風はやや強く、雪が降っている。視程は50m程度である。部分的に腿ほどのラッセルがあり、時間がかかる。1930mの露岩は空身で1名が登り、他の2名を引き上げる。夏道沿いに登るが、岩に雪が付きいやらしい。通過中に風が強まり、思ったより時間を要する。続く1950mの露岩はワンアットで通過する。そこで昼食をとり、それから駒ヶ岳への最後の登りを行く。小さな露岩を縫うように登り上に出るが、駒ヶ岳への平坦な稜線は所々雪が腐っており、視界も悪いため時間がかかる。やがて駒ヶ岳山頂に着くが、ここまで予想以上に時間がかかり、これから天候の悪化が予想されたため、本日はここで幕営する。15時頃から風がさらに強まり、暴風になる。

CT)北駒ヶ岳(6:25)-1930m露岩手前(8:05)-1950m露岩上(11:10)-駒ヶ岳(12:40)

1930mの露岩 駒ヶ岳山頂にテントを設営

3月11日(木) 曇時々雪  【駒ヶ岳-P1769m】

朝のうちは視界が悪く、風が非常に強いため天気待ちする。9時を過ぎる頃には風は少し弱まり、視程100m程度、時折雲の切れ間から日が出る。朝の気象情報や9時10分の気象通報から、昼頃には曇、夕方には晴れると判断して出発を決める。テント撤収、梱包し、わかんとザイルを着けて出発する。駒ヶ岳からの下りは南西尾根寄りに行くが、視界が悪く尾根の位置がわからない。数分間の晴れ間があり、その間に南西尾根への分岐に標識を付ける。その後、P1769mを目指して進むが、1900m付近の平坦地から先では膝から腿ほどのラッセルがあり、進むのに時間がかかる。1820m付近の急な箇所は藪が出ているのに加え、腿ほどのラッセルがあり、ザイルを外して空身でラッセルする。そこから先も空身で交代しながらラッセルしていく。視程は100m程度で風は弱い。サンナビキ谷側には5?10m程の雪庇が出ている箇所もある。慎重にルートファインディングしながらラッセルし、P1769mに到着する。

CT)駒ヶ岳(10:35)-1867m付近(12:45)-P1769m(16:10)

駒ヶ岳の下り 駒ヶ岳 幕営地

3月12日(金) 晴  【P1769m付近-滝倉山往復】

予定通り出発を1時間早める。わかんとザイルを着けて出発する。快晴でやや風があり気温は低い。稜線上はサンナビキ谷側に大きく雪庇が張り出しており、慎重にルートファインディングをする。ラッセルは平均して膝ほど、深いところで腿ほどで、非常に時間がかかる。P1753mへの登りは雪庇が複雑に張り出し、東又谷側の藪の出た斜面を巻くように登る。P1801mへの登りは雪壁状で、部分的に固いためワンアットで通過する。そこからは平坦で膝ほどのラッセルが続き、P1950mへの登りでは固い箇所があり急なため、ワンアットで通過する。滝倉山とのコルは複雑に雪庇が張り出し、細かくワンアットしながら通過する。滝倉山への登りは非常に急でワンアット2Pで通過する。上部に固い箇所があり、さらに50cm程の雪庇を崩して上に出た。そして滝倉山へと到着する。頂上で写真と撮り、昼食をとって出発する。滝倉山からの下りは確保して慎重に下る。コルは往路同様ワンアットで通過する。午後になると風が出始め、次第に暴風になる。風でトレースが消えている箇所もある。往路でワンアットを行った箇所は確保して慎重に下る。雪庇に注意しながら戻り、幕営地に到着する。

CT)P1769m(4:54)-P1801m(7:40)-滝倉山(10:48-11:15)-P1801m(14:20)-P1769m(16:14)

出発時 滝倉山の登り 滝倉山山頂

3月13日(土) 雪時々霙  【P1769m-駒ヶ岳南西尾根1222m付近】

早朝は暴風が吹いている。気温は高く霙が降り、風は暖かく湿っている。風が強すぎてテント撤収が行えないため、天気待ちをする。やがて風が若干弱まったのを見計らってテントを撤収して出発する。トレースが残っている箇所や強風でクラストしている箇所があり、比較的早いペースで進むが、強風で視界も悪いため標識を頼りに慎重にルートファインディングする。1867mへの登りは雪が深いため、空身でラッセルを交代しながら進む。そこからザイルを付け、駒ヶ岳南西尾根下降点まで赤旗を辿りながら進む。標識を付けていたため、南西尾根は直ぐに見つかる。南西尾根は笠谷側が切れており、滝倉谷側には雪庇が発達している。視界が悪いため、慎重にルートファインディングを行う。所々膝ほどのラッセルがある。尾根の屈曲点は地形図とコンパスを見ながら順調に下る。1600m付近はリッジ状になっており、雪が腐っているため、ワンアットで通過する。丁度この辺りから雲の下に出て、視界が良くなる。同時に雪が腐り始め、時折身体がはまってしまい時間がかかる。1400m付近から樹林に入り、同時に天候が悪化して再び雪が降り始める。雪が軟らかいため慎重に下り、幕営予定地に到着する。

CT)P1769m(8:18)-駒ヶ岳南西尾根下降点(11:10)-駒ヶ岳南西尾根1222m付近(16:08)

南西尾根の下り 途中から視界が晴れる 1222m付近を目指す

3月14日(日) 快晴【1222m付近-片貝第四発電所付近にて雪上訓練-片貝第二発電所へ下山】

晴れており風もない。幕営地でバックベアリング法(地形図とコンパスによる現在地の同定法)の訓練を行ってから、わかんを着けて出発する。雪面はクラストしており、所々藪が出ている。やがて急な斜面になり、雪面が固くなってきたためわかんを外す。藪の上に雪が乗っている程度の箇所もあり、スリップしやすいので木の間を縫うように慎重に下り林道に下りる。林道からもクラストしており、わかんを着け直して出発する。深いところでは膝まで潜る。山側からの雪崩に注意しながら素早く進む。片貝山荘の向かい側の斜面は雪崩れる可能性があるため、片貝山荘の少し手前で山荘側に渉り、山荘の裏を通って山荘前の橋をわたる。日差しが強く非常に暑いため、ここでヤッケ、ミトンを外す。そこからも山側が所々雪崩れており、素早く通過して行く。良いペースで進み、片貝第四発電所に到着する。発電所付近で昼食をとり、雪上訓練を行う。訓練終了後、出発する。そこからは足首程のラッセルとなる。良いペースで進み、片貝第二発電所に下山する。
訓練内容) ホワイトアウトナビゲーション 0’20”
Fix工作(2P) 1’40”
ビーコン・ゾンデ探索 1’30”
雪洞作成 1’00”
埋没体験 0’30” 合計 5’00”

CT)1222m付近(6:10)-取り付き(8:13)-片貝第四発電所(10:35-15:50)-片貝第二発電所(16:54)

雪上訓練 宮津 下山

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