2015年度 剱岳登攀準合宿(9/21-9/28)


9月21日(月)

メンバー 松本 長坂 太田 松木 宮武 小清水 染矢

 部室に集合し、東京駅まで電車で移動する。その後夜行バスに乗り富山駅へ向かう。富山駅到着後、電車、ケーブルカー、バスを乗り継ぎ室堂ターミナルに到着する。

9月22日(火) 晴 【室堂ターミナル~野営場管理所~雷鳥沢経由~別山乗越~剱沢(BC)】

メンバー 松本 長坂 太田 松木 宮武 小清水 染矢

P2050585
室堂派出所に計画書を提出した後、装備を整え、体操をして出発する。室堂ターミナル付近は大勢の観光客、登山者で賑わっており、登山道を譲り合いながらゆっくりとしたペースで進んでいく。地獄谷付近では例年に比べ火山ガスの臭いが強く感じられる。雷鳥沢野営場管理所には40張程のテントがある。称名川に架かる橋を渡ったところで休憩をとる。別山乗越への登りでは浮石や落石に注意しながら登っていく。2550m付近で山本篤OBと出会い、激励の言葉を頂く。一定のペースで別山乗越に向け登り、到着後小休止する。剱沢への下りでは落石に注意しながら進む。終始登山道上は人が多く、譲り合いながら進んだ。剱沢(BC)到着後、テント設営をする。その後4年生2名は剱沢小屋に計画書を提出しに行く。剱沢には50張程のテントがある。

CT) 室堂ターミナル(10:23)~野営場管理所(11:00)~雷鳥沢経由~別山乗越(13:23~13:37)~剱沢BC(14:10)

9月23日(水) 晴 本隊【別山の岩場にて登攀技術の訓練】

メンバー 松本 太田 松木 小清水 染矢

P2050585
出発の準備をした後、明るくなるまでテント内で待機する。5:30に陽が昇ってきた為、ヘルメット、ハーネスを装着して出発する。別山の岩場まではガレた登山道を落石に注意しながら進んでいく。岩場到着後、訓練を行う。岩場では1P目はクラックを直上し階段状の岩場を右上する(35m)。2P目はハイマツを巻くようにして登り、大きなテラスに出る(25m)。3P目は傾斜の緩い凹角状を右上し、上部の大きな岩壁を巻き、ガレた尾根上に出る(40m)。4P目は階段状の岩場を直上し、バンドに出る。バンドに出てからは左にトラバースする(40m)。5P目は傾斜の緩いリッジを左上し、そこから垂直気味だがホールドがしっかりとしたクラックを5m直上する。その後、浮石の多いチムニーを直上しピッチを切り登攀を終了する(30m)。岩場には他に2パーティーが登攀をしていた。
訓練内容) 支点構築訓練              1゜10’
        リードロープでの登攀(5P) 3゜10’
        懸垂下降訓練(3P) 1゜30’
合計T)5゜50’

CT)BC (5:28)~別山の岩場(6:03~12:08)~BC(12:21)

上級生隊【八ツ峰Ⅵ峰Aフェース魚津高ルート、八ツ峰Ⅵ峰CフェースRCCルート登攀】

メンバー 長坂 宮武

P2050585
ヘルメットを装着して出発する。野営場管理所脇の登山道を下って行く。登山道はガレている為、注意して下る。2300m付近から雪渓に出る為、アイゼン、毛手袋、ピッケルを装着する。雪面は固く締まっていた為、注意して下り長次郎谷出合に着く。ここからは長次郎谷を登り詰めていく。八ツ峰Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼ付近で雪渓が切れる為、源次郎尾根側のガレ場を登って行く。その後再び雪渓上に出た後、八ツ峰側のガレた踏み跡を辿り、Aフェース取り付きへ出る。登攀はつるべ式で行う。1P目は傾斜の緩い狭い凹角を左上し狭いテラスに出る(30m)。2P目は1段上に上がった後、カンテ上を登り、右側に回りクラックを登っていく。ホールドはあるが高度感があるため足が竦み、登るのに時間が掛かる(35m)。3P目は傾斜の緩くなったハイマツを交えた場所を登り、Aフェースの頭に出る(25m)。その後50m×1P、25m×1Pの懸垂下降を行い、Ⅴ・Ⅵのコルに下り、Cフェースの取り付きまで登り返す。取り付き到着後、つるべ式で登攀を開始する。1P目は、ルンゼ上を左にトラバースし斜度の緩い凹角部分を進む(35m)。2P目も斜度の緩い凹角部分を進み、右にトラバースしてテラスに出る(25m)。3P目は、フェースを登り右寄りに藪混じりの凹角上を登る(45m)。4P目は、斜度のきつい凹角上を20m程進み、右よりにフェースを登りCフェースの頭手前に出る(40m)。下降では、途中で50m×2Pの懸垂下降を行いⅤ・Ⅵのコルに下る。Ⅴ・Ⅵのコル到着後、長次郎谷出合まで下る。剱沢の登り返しで3年生のペースが上がらなくなる。2070m付近から別山北尾根寄りのガレ場を進んでしまい、ルートを誤る。トランシーバーで本隊と連絡を取りながら修正を試みるが、日没と3年生の体調を考慮し2280m付近でビバークする。ビバークの際は定時本隊とトランシーバー交信を行う。

CT)BC(4:08)~Aフェース取り付き(6:25)~Aフェースの頭(9:48)~Ⅴ・Ⅵのコル(10:45)~
Cフェース取り付き(11:05)~Cフェースの頭(13:10)~Ⅴ・Ⅵのコル(14:28)~長次郎谷出合(15:09)~ビバーク地点2280m付近(19:28)

サポート隊【上級生隊サポート】

メンバー 松木 太田

 定時に連絡を取り合い5:30にサポートに向かう。上級生隊とトランシーバーで連絡を取り合いながら剱沢を下っていき、2200m付近の登山道で合流する。疲弊している3年生の荷を抜き、ゆっくりとしたペースでBCへ帰幕する。

CT)登山研修所夏山前進基地脇(5:30)~2200m付近(5:58)~BC(7:05)

9月25日(金) 雨 【停滞】

メンバー 松本 長坂 太田 松木 宮武 小清水 染矢

昨日決めた行動予定の変更により、本日は停滞する。朝食を摂った後、テント点検、天気図を作成し休養する。

9月26日(土) 雨後晴 本隊【停滞】

メンバー 松本 太田 松木 小清水 染矢

上級生隊を見送った後、小雨が止むまでテント内で待機する。9:00から晴れ始めた為、テント設営訓練、ザイルワークの確認をする。また雨で濡れた私物、官物干し、天気図作成を行った。

上級生隊【八ツ峰Ⅵ峰Aフェース魚津高ルート、八ツ峰Ⅵ峰CフェースRCCルート登攀】

メンバー 長坂 宮武

P2050585
ヘルメットを装着し、小雨が降っていた為、雨具の上を着て出発する。登山道はガレており昨日の雨の影響で濡れている為、注意して下る。2300m付近から雪渓に出る為、ここでアイゼン、毛手袋を装着しピッケルを出す。雨の影響で雪面はさらに固く締まっていた為、注意して下り長次郎谷出合に着く。ここからは長次郎谷を登り詰めていく。八ツ峰Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼ付近で雪渓が切れた為、アイゼン、毛手袋を外しピッケルをしまい源次郎尾根側の岩稜帯を進み、再び雪渓となった箇所から装備を装着して進み、Aフェースの取り付きに到着する。その後、つるべ式で登攀を開始する。1P目は傾斜の緩く狭い凹角を左上し狭いテラスに出る(30m)。2P目は1段上に上がった後、カンテ上を登り、右側に回りクラックを登っていく。2回目のため、ホールドがしっかりした場所を素早いペースで登る(35m)。3P目は傾斜の緩くなったハイマツを交えた場所を登り、Aフェースの頭に出る(25m)。その後50m×1P、25m×1Pの懸垂下降を行い、Ⅴ・Ⅵのコルに下り、Cフェースの取り付きまで登り返す。取り付き到着後、つるべ式で登攀を開始する。1P目は、ルンゼ上を左にトラバースし斜度の緩い凹角部分を進む(35m)。2P目も斜度の緩い凹角部分を進み、右にトラバースしてテラスに出る(25m)。3P目は、フェースを登り右よりに藪混じりの凹角上を登る(45m)。4P目は、斜度のきつい凹角上を20m程進み、右よりにフェースを登りCフェースの頭手前に出る(40m)。懸垂下降では、50m×2Pを行いⅤ・Ⅵのコルに下る。Ⅴ・Ⅵのコル到着後、長次郎谷出合まで下降し剱沢をゆっくりとしたペースで登り返しBCに到着する。

CT)BC(3:57)~Aフェース取り付き(6:51)~Aフェースの頭(8:48)~Ⅴ・Ⅵのコル(9:35)~
Cフェース取り付き(9:52)~Cフェースの頭(11:49)~Ⅴ・Ⅵのコル(12:54)~長次郎谷出合(14:09)~BC(15:44)

9月27日(日) 晴時々霧 本隊A 【八ツ峰Ⅵ峰CフェースRCCルート登攀】

メンバー 松本 小清水 

P2050585
 肌寒い為雨具の上を着て、本隊Bと共に出発する。暗い中を足元に注意しながら剱沢の登山道を下っていく。2300m付近で雪渓に移り、アイゼン、毛手袋、ピッケルを装着し進んでいく。長次郎谷出合からⅥ峰に向け登り詰めていくが、八ツ峰Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼ付近で雪渓が切れた為、源次郎尾根よりの岩稜帯を登り詰めていく。沢の水量の少ない所で八ツ峰寄りに渡りガレた斜面の踏み跡を辿っていく。Ⅵ峰手前で本隊Bと別れ、CフェースRCCルート取り付きへ向かう。登攀は常に4年生がリードする。1P目は階段状の岩場を左上する(35m)。2P目は右上にあるハイマツを右から巻くようにルートをとり、テラスに出る(25m)。3P目は傾斜の緩いフェースを右上し、バンドに出る。バンドを左へトラバースし、傾斜のある凹角を直上する。凹角は水が垂れており、またホールドも細かく登りづらい。その後、10m程直上し大きなバンドでピッチを切る(45m)。4P目は階段状の岩場を左上し、傾斜のきつい凹角を直上する。ホールドが多く登りやすい。20m程登るとハイマツ帯に突き当たり、これを右上しCフェースの頭に出る(50m)。Cフェースの頭からは懸垂下降50m×2Pを交えⅤ・Ⅵのコルへ下る。ここで本隊Bと合流し、BCへと向け下っていく。Ⅴ・Ⅵのコル直下はガレており、足元に注意しながら下る。八ツ峰Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼ付近で雪渓に移りアイゼン、毛手袋、ピッケルを装着して進む。剱沢を登り返し、2300m付近で登山道に移り、良いペースでBCへ帰幕する。

CT)BC(4:41)~長次郎谷出合(5:07)~Cフェース取り付き(6:42)~Cフェースの頭(9:42)~
Ⅴ・Ⅵのコル(10:59~11:23)~長次郎谷出合(12:19)~BC(13:32)

本隊B 【八ツ峰Ⅵ峰Aフェース魚津高ルート登攀】

メンバー 松木 太田 染矢

P2050585
 Ⅵ峰手前まで本隊Aと共に行動する。Ⅴ・Ⅵのコル側からAフェースに取り付き、登攀を開始する。登攀は4年生1名が常にリードする形で行う。1P目は傾斜の緩い狭い凹角を左上しテラスに出る(30m)。2P目は1段上に上がった後、カンテ上を登り、右側に回りクラックを登っていく。高度感はあるが、ホールドがあり、登りやすい(35m)。3P目は傾斜の緩くなったハイマツを交えたルートであり、そのままAフェースの頭に出る(25m)。Aフェースの頭からは懸垂下降50m×2PでⅤ・Ⅵのコルに下る。Ⅴ・Ⅵのコルで本隊Aが下るまで待機し、合流した後BCへ帰幕する。

CT)BC(4:41)~長次郎谷出合(5:07)~Aフェース取り付き(6:42)~Aフェースの頭(8:40)~Ⅴ・Ⅵのコル(9:50~11:23)~長次郎谷出合(12:19)~BC(13:32)

上級生隊 【停滞】

メンバー 長坂 宮武

本日は八ツ峰下半・上半縦走の実動を行う予定であったが、3年生の体調不良により停滞する。
 

9月28日(月) 晴 下山 【BC~別山乗越~雷鳥沢経由~野営場管理所~室堂ターミナル】

メンバー 松本 長坂 太田 松木 宮武 小清水 染矢

P2050585
 予備日の残りが無い為、本日は室堂ターミナルに向けて下山する。気温が低く風がある為、雨具の上を着る。テント撤収をし、梱包をした後別山乗越に向け薄暗い中を足元に注意しながら出発する。別山乗越で休憩を取った後、雷鳥沢を落石に注意しながら下っていく。気温が上昇してきた為、野営場管理所付近で雨具の上を脱ぐ。室堂ターミナルへの登りでは良いペースで進み、下山する。

CT)BC(4:44)~別山乗越(5:14~5:23)~雷鳥沢経由~野営場管理所(6:06~6:23)~室堂ターミナル(7:02)