2005年度 上級生合宿(4/28-5/9)


4月28日(木) 晴

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 出発日は菅澤OB、松田OB、朴元OB、乙山OBと一年生に見送られ出発する。いつにもない大勢の人数に見送ってもらい、より一層気合が入る。


4月29日(金) 雨時々霧雨時々曇 【飛超トンネル-P1686m付近-P1842m】

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 早朝、富山駅で能登を下車すると山本宗彦監督がいらっしゃり激励の言葉をもらう。予定通り富山駅から、高山本線、神岡鉄道を乗り継ぎ奥飛騨温泉口駅に到着、そこからタクシーで飛越トンネル2km手前まで入る。雨がポツポツ降っている中、準備を行い出発する。雪が腐っており歩きにくいが、順調なペースでP1686mまで行く。ここで昼食を摂る。しかし、ここから天候が悪化し、ガスが視界全体を覆うようになる。また、トップで歩いている2年生1名のペースが雪に足をとられ遅くなる。なんとかP1842mに到着するがホワイトアウト状態になり、これ以上先に進むのは危険と判断し、今日はここで幕営する。
テントを張ったのち、3年生2名で上部偵察に行く。

CT)飛超トンネル(10:45)-P1686m付近(11:55-12:10)-P1842m(13:45)

4月30日(土) 晴 【TS-寺地山-北ノ俣岳-太郎山-薬師峠】

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 食当が40分寝坊するが、他の2人も食当を手伝いなんとか出発時間には間に合わせる。朝一番で斜面がクラストしているが、キックステップをしっかりやれば問題はない。天気が良く、寺地山を越えるあたりから蒸し暑くなり始める。黙々と広い斜面の尾根を登る。稜線の分岐でザックを置き、空身で北ノ俣岳を往復する。ここからはだだっ広い尾根を下っていくだけだが、雪がやわらかく頻繁に足場が抜けて歩きにくい。底抜けの雪と格闘しながら太郎山に到着する。そこからは順調に下り薬師峠に到着する。

CT)TS(5:00)-寺地山(7:35)-北ノ俣岳(10:45-11:15)-太郎山(12:40-12:50)-薬師峠(13:20)

5月1日(日) 曇後雨 【薬師峠-薬師平-薬師岳-北薬師岳-間山-スゴ乗越-P2431】

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 
歩き出しの樹林帯の中の急斜面は雪が腐っており、一歩ごとに足をとられペースが上がらない。樹林帯を抜け薬師平に出ると、雪面がクラストしており歩きやすい。その後順調なペースで薬師岳に到着する。薬師岳の稜線は夏道が若干出ているが、歩きにくいので雪上をひたすら行く。北薬師岳からもいいペースで進み、間山で昼食をとったのち、幕営予定地のスゴ乗越に到着する。到着時間も早いことから、越中沢岳を目指すこととする。スゴ乗越先のコルでハーネス、ヘルメットを着用し、アンザイレンで出発する。進むにつれて、雪面がゆるくなり頻繁に腰まで雪の中に落ち込みペースが一向に上がらない。このころから雨が降り出してくる。2300m付近から斜面が一層急になり危険なため、メインFixを駆使しながらスゴ乗越の頭を目指す。その後もなかなかペースが上がらないが、なんとかスゴ乗越の頭までたどり着く。時間も遅く、天気も悪く、それ以上の行動は危険とし判断し本日はここで幕営する。

CT)薬師峠(4:40)-薬師平(6:00)-薬師岳(7:45-7:55)-北薬師岳(8:35-8:45)-間山(5:55-10:15)-スゴ乗越(11:00-11:15)-P2431(15:45)

5月2日(月) 霧雨後晴

 朝から天気が悪くガスっているので、テント点検後天気待ちとする。
9:10の天気図をとる。10:00になっても天気が悪いので、今日は停滞としテント張替えを行う。11:10頃から一気にガスがなくなり、目の前にそびえる越中沢岳が姿を現す。


5月3日(火) 快晴 【TS-越中沢岳-鳶山-五色ヶ原-ザラ峠-獅子岳-2400m付近】

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 テント撤収時、ポールが凍りつき撤収に手間取る。ヘルメット、ハーネス、アイゼンを着けアンザイレンで出発する。雪はクラストしており、アイゼンの爪がよくきき歩きやすい。コルからはいいペースで登り、越中沢岳に到着する。天気が良く、頂上で景色を堪能する。越中沢岳の先の平地でヘルメット、ハーネスを外す。鳶山の登りはじめでアイゼンも外す。雪が腐っており、非常に歩きにくくペースは遅いがなんとか登りきる。本日はこの先の五色ヶ原で幕営の予定であるが、時間に余裕があることから先を目指すことにする。まるで砂漠のような五色ヶ原はいいペースで通過し、あっという間にザラ峠に到着する。ここで昼食とする。ザラ峠からは夏道が出ており、いいペースで進む。獅子岳上部には雪が残っており、腐っていて一気にペースが落ちるが、遅いが一定のペースで進み獅子岳に到着する。頂上で休憩の後、出発しようとザックを背負った際に2年生1名の背負いバンドが切れてしまう。その場はとりあえず応急処置し下る。バランスが悪いらしく2年生1名のペースが上がらない。下りきった2400m付近の所で、ザックの修理が最優先と考え本日はここで幕営することにする。

CT)TS(5:00)-越中沢岳(7:45-7:55)-鳶山(9:00-9:10)-五色ヶ原(10:00)-ザラ峠(10:15-10:30)-獅子岳(11:50-12:10)-2400m付近(12:30)

5月4日(水) 快晴 【TS-富山大学研究所-一ノ越-雄山-富士ノ折立-別山-剱沢】

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 本日も撤収時、テントポールが凍る。アイゼンを履いて出発する。順調なペースで進み、鬼岳、龍王岳を巻き室堂が見渡せる富山大学立山研究室に到着する。ここから斜面を下り一ノ越に到着する。ここで3年生1名が寒さを訴え、この者だけが雨具を着用する。ここからはいいペースで進み、雄山、富士ノ折立、真砂沢と順調に進む。別山をトラバースすることも考えたが、雪が付いており通過に時間がかかりそうなので稜線上に行くことにする。別山乗越手前で偶然、金子文雄OBとお会いする。その後も順調に進み剱沢に到着する。就寝前に廣瀬OBにもお会いする。

5月5日(木) 曇後晴

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 今日は雪上訓練のため、起床時間を1時間遅らせる。
11時頃に小久保OBが地形の研究のため入山される。
本日行った雪上訓練内容は以下の通り。

(支点構築 懸垂下降 滑落停止 コンテ歩行 ワンアット) 計5:00
(スタンディングアックスビレー メインFix 固定Fix)   計3:00


5月6日(金) 曇後晴 【TS-長次郎谷出合-熊の岩-長次郎のコル-剱岳頂上-前剱-剱沢】

メンバー 三戸呂 北村 矢口

 出発時間が1分遅れる。ヘルメット、雨具、アイゼンを着用して出発。小久保OBに見送られ出発する。長次郎谷出会いに行くまでに、平蔵谷や源次郎尾根取り付き箇所を観察する。出会いから長次郎のコルまで2本で一気に高度を稼ぐ。2年生1名が熊の岩あたりから遅れだすが気合を入れ歩かせる。長次郎のコルからはアンザイレンで慎重に急斜面を登きり、剱岳頂上に達する。カニの横ばいのハシゴは確保しながら慎重に下る。別山尾根は夏道と雪が入り混じっておりルートファインディングをしながら慎重に下るが、時間がかかる。前剱からの急斜面は1ピッチ懸垂を交えながら降りる。急斜面を下りきったところでザイルを外す。その後は順調に進み、途中の剱山荘でアイゼンとハーネスを外し、帰幕する。

CT)TS(5:01)-長次郎出会(5:40-5:50)-熊の岩(6:40-6:50)-長次郎のコル(7:40-8:00)-剱岳頂上(8:20-8:35)-前剱(11:10)-剱沢(12:50)

5月7日(土) 雨後霧雨後快晴

 深夜1時、風が強くテントに容赦なく吹き付けるため、3年生2名でブロックを修復する。朝、出発準備をするが雨、風共に強く天気待ちとする。7時頃になっても天候が回復しないので今日は停滞とする。その後、9:10の天気図をとったのちテント張替えを行う。11時過ぎに一気にガスが抜け、青空が一面に広がる。12時からビバーク訓練を行う。ビバーク訓練中に山本宗彦OB、松本OB、乙山OBが入山される。


5月8日(日) 快晴 【TS-源次郎尾根取り付き-剱岳頂上-平蔵のコル-平蔵谷出合】

メンバー 三戸呂 北村 矢口 山本宗彦OB 松本OB 乙山OB

 30分先に同じく源次郎尾根を登るOBパーティが出発する。雨具、ヘルメット、アイゼンで出発し、源次郎取り付きからはアンザイレンする。取り付きからはひたすら雪渓をつめていくが、すぐに2年生1名が遅れだす。雪渓を越えると夏道が少し顔を出しており、登りにくくいやらしい。ワンアットを交えながら-峰に達する。-峰の下りのナイフリッジでは後ろ向きになり慎重に下る。-峰の急斜面はいいペースで登りきるが、そこから懸垂箇所までワンアットを3ピッチ行う。予想以上にここの通過に時間がかかる。平蔵谷に目をやると、OBパーティはもうすでに下っている。-峰から懸垂下降し、コルで昼食とする。その後、いいペースで順調に進み剱岳頂上に達する。感激のなか、部歌、校歌を高らかに歌いあげ、至福のひと時を過ごす。ザイルを外し、下り始める。前日の雨のせいか、雪が少なくなっている。平蔵谷のコルでアイゼンを外す。平蔵谷出会いで雨具、ハーネスを外し、その後順調に進み帰幕する。

CT)TS-源次郎尾根取り付き(4:20-4:35)-剱岳頂上(12:05-12:25)-平蔵のコル(13:05-13:15)-平蔵谷出合(14:00-14:05)-TS(14:55)

5月9日(月) 晴時々雨時々霧雨 【TS-別山乗越-奥大日岳-大日岳-大日小屋-大日平山荘-牛ノ首入口】

メンバー 三戸呂 北村 矢口 山本宗彦OB 松本OB 乙山OB

 今日は行動が長いので出発時間を1時間早める。食当が1時間寝坊し出発が遅れる。背負いバンドの関係で3年生1名のザックと2年生1名のザックを交換して出発。朝一番で雪面は硬いがアイゼンは不要である。いいペースで順調に進んでいくが奥大日岳手前でガスに覆われ、ホワイトアウト状態となったのでツエルトを被って天気待ちを40分程度する。このころから2年生1名が吐き気を訴えはじめ、天気待ちの際、耐え切れず吐いてしまう。その後、ペースが上がらないまま大日小屋に到着する。ここで体調不良の2年生1名が、さらに左目が痛くぼやけると訴える。涙が止まらない。左目が開けるのが辛そうである。空身で大日岳を往復する。トップを3年生1名と交代し、大日平山荘へ駆け下る。大日平小屋手前からガスが出始め、大日平小屋に到着したころには完全にホワイトアウトする。ここで1時間程昼食がてら天気待ちをする。2年生1名の体調が優れないので3年生1名の軽いザックと交換する。視界が多少出てきた所で出発する。地図とコンパスを頼りに進むも40分歩いた所で行き止まりとなる。しかたなく、小屋の方面に戻っていると、ガスが一気になくなり、尾根を一本間違えていたことが判明する。急いで戻り、正しいルートを慎重に進むが、次は牛ノ首の下降路が見つけられず、右往左往する。偵察を繰り返しやっとのことで牛ノ首の下降路を発見するが、ここで時間をだいぶロスする。ここは迷いやすいようで、あちらこちらに他の足跡がたくさんついている。牛ノ首からは夏道と雪が入り混じっているが、慎重に下り一気に大日岳登山口に出る。ここで称名滝を見ながら休憩する。ここからは最後の気合を振り絞って2本で立山駅に到着する。

CT)TS(4:07)-別山乗越(4:45-4:55)-奥大日岳(8:00)-大日岳(9:00)-大日小屋(9:15-9:20)-大日平山荘(10:05-11:00)-牛ノ首入り口(13:50)