2004年度 春山決算合宿(2/27-3/7)

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 矢口

2月27日(日)晴れ

 前日の夜、新宿のバスターミナルには高野監督、早川OB、加藤OB、谷山OBが見送りに来て下さった。たくさんの差し入れもいただき、22:30のバスで離京。
 大町に到着し、駅の待合室で朝食をとってからジャンボタクシーで日向山のゲートへ向かう。ゲートに到着し、ヤッケ、オーバーズボン、毛手、ロングスパッツを着けて、ゲート脇に荷物をデポしてから出発。路面上の積雪は3cm程で、凍結も無く順調に扇沢出合に到着。予定通り橋を渡った右岸にテントを設営するが、通りかかった関電の人に「そこは危ない。」と言われ、歩荷隊でBHの場所を移動する。偵察隊は上部へ向かう。

CT)信濃大町(4:50-5:30)-日向山ゲート(5:50-6:30)-扇沢出合《BH》(8:10)

〈偵察隊〉 小久保 北村

 2月準合宿の時と同じ支尾根から取り付く。前回に比べて雪も少なく、様子が変わっている。すねくらいのラッセルで木を左右に巻きながら進む。尾根上に上がってからは足首くらいのラッセルで順調にBC予定地の1917m地点に到着。昼食をとってから引き返し、標識を補充しながら下る。

CT)BH(9:30)-BC(11:30-11:50)-BH(12:40)

〈歩荷隊〉 乙山 三戸呂 矢口

 テントを撤収し、車道を扇沢駅方面へ2分程進んだ籠川側に平坦地を見つけ、ここをBHとしてテントを設営する。昼食をとってから逆歩荷へと向かう。除雪車が通り、気温も上がったために路上の雪はほとんど無くなった。おかげで速いペースでゲートに到着。デポを梱包して引き返す。途中でヤッケを脱ぎ、順調に帰幕する。

CT)BH(11:55)-日向山ゲート(12:50-13:10)-BH(14:50)

2月28日(月)晴れのちくもり

 梱包で手間取り、出発が遅れる。橋を渡ってからわかんを履く。取り付きからの支尾根は重荷ということもあり少し時間がかかるが、尾根上に出てからは歩きやすく、順調にBCに到着。荷物をデポして引き返す。BHに戻り、時間が早いので今日中にBCに上がることにする。テントを撤収して再びBCへ向かう。1回目より早いペースでBCに到着する。

CT) BH(6:05)-1917m《BC》(8:20-8:35)-BH(9:30-10:30)-BC(12:15)

3月1日(火)晴れ一時くもり

〈偵察隊〉 乙山 三戸呂

 歩荷隊に先行してJPへ向かう。雪は少なく、足首から、深くてもすねくらいのラッセル。所々クラスト気味である。JPに到着し、整地をしながら歩荷隊を待つ。

CT)BC(6:00)-JP《C1》(7:50)

〈歩荷隊〉 小久保 北村 矢口

 偵察隊のトレースをたどり順調に進み、3本でJPに到着する。

CT)BC(6:00)-C1(8:20)

 合流後、荷物をデポして全員でBCへ引き返す。本日も時間が早いのでC1に上がってしまうことにする。テントを撤収し、昼食をとってから出発。順調に2本でC1に到着。樹林の脇に雪を削って広めに整地し、テントを設営する。今日は気温が低く、寝る前には-20℃まで下がった。

CT)C1(8:35)-BC(9:25-10:35)-C1(12:30)

3月2日(水)くもりのち雪

 ここまで予定より早く実動をこなしている。今日は全員でAC偵察に向かう。C1からアンザイレンし、わかんで出発。15分位進んだ2330m付近でアイゼンに替える。上に行く程風は強くなり、視界は白沢天狗尾根がうっすら見える程度。AC予定地の爺ヶ岳南峰に到着し、その先の偵察も予定していたが強風、視界不良ということで、赤旗をデポしてここで引き返すことにする。
 下に下りてくると風も落ち着き、太陽も一部出てくる。午後になって再び風が強くなり、夕方には一時吹雪となった。

CT)C1(6:10)-爺ヶ岳南峰(8:05-8:10)-C1(9:05)

3月3日(木)晴れのち雪

 ACに上げる№5天の外張りに穴が開いたため、№4天のものと取替えるのに時間がかかり、出発が遅れる。№5天を撤収して、アイゼンで出発。上部では時々立ち止まらなければいけない程の風が吹いている。南峰に到着し、テントを建て始めるが風が非常に強く、押さえつけながら設営するが余りにも風が強いためAC建設はあきらめ、テントを撤収する。ツェルトをかぶって少し風が収まるのを待つが一向に弱まらず、C1へと引き返す。下に戻ると風は徐々に弱くなり、15:00頃から無風快晴となる。夜から雪が降り始める。

CT) C1(6:30)-爺ヶ岳南峰(8:10-10:30)-C1(11:15)

3月4日(金)雪

 南峰にACを建設する事をあきらめ、鹿島槍へはC1からアタックする事にする。しかしあらかじめ予想されていた通り天気が悪く、出発の準備完了後、テントに入って停滞。9:10の天気図をとってから全員で下部足付けに向かう。BCで引き返し、帰幕後は休養とする。

CT)C1(10:00)-BC(10:40-10:45)-C1(11:50)

3月5日(土)雪のち晴れ

 風雪共に強く、明るくなるまで天気待ち。7:00になっても天気が回復しないため、今日はアタックに行かないことにする。9:10の天気図をとってから、10:00過ぎに晴れ間が見え出したのでテント張替えをする。その後、小久保、北村、三戸呂で上部足付けに向かう。わかんで出発し、樹林を抜けた所で引き返す。

CT) C1(12:35)-引き返し(12:55)-C1(13:13)

3月6日(日)快晴

 いつものようにアイゼンで出発。昨日の足付けの甲斐あり、樹林までトレースを順調に進む。そこからの登りもいつに無く早い。南峰でアタック隊と別れ、サポート隊の3人はC1へと引き返す。7:30にはC1に到着し、テント内でアタック隊の帰りを待つ。

〈アタック隊〉 乙山 北村

 南峰からの夏道上の雪はクラストしておらず、足首まで埋まり思ったほどペースは上がらない。中央峰への分岐からのトラバースは、夏道が雪に隠れてはっきりしないが素直にまっすぐトラバースする。北峰からはひたすら夏道を行く。2488m手前からは富山側の樹林を巻く。ラッセルが、すねから深い所ではひざくらいあり、予想以上に苦戦する。しばらく進んでからアイゼンわかんにする。赤岩尾根の分岐手前で一旦夏道に出るが、またすぐに樹林に入る。冷池山荘を過ぎてからも予想以上にラッセルが続き、ペースが上がらない。2550m付近でようやく稜線上に出る。それからもしばらくは雪がしまっておらず、布引山を過ぎた鞍部でようやくクラストし始めたので、わかんをはずす。後は順調に進み、鹿島槍南峰に到着する。
 写真を撮って引き返し、樹林に入ったところで昼食をとり、そこからわかんを着けてトレースをたどる。もうラッセルは無いものの疲労でペースが上がらない。爺ヶ岳南峰でわかんをはずし、慎重に下って帰幕する。

CT)C1(5:31)-爺ヶ岳南峰(6:30-6:35)-冷池山荘(8:40)-布引山(10:10)-鹿島槍ヶ岳南峰(11:00-11:10)-布引山(11:40)-冷池山荘(12:50)-爺ヶ岳南峰(14:50-14:55)-C1(15:40)

3月7日(月)快晴

 快晴の中出発し、爺ヶ岳南峰までは昨日より早く着く。サポート隊の3人はアタック隊が中央峰をトラバースするのを見送ってから引き返し、7:25にC1に到着後テント内にて待機。

〈アタック隊〉 小久保 三戸呂

 南峰頂上でサポート隊と分かれ、夏道に沿って南峰を下り、中央峰のトラバースに入る。昨夜の風で雪面の雪は吹き払われてクラストしており、アイゼンが良く効き歩きやすい。北峰の先の樹林は足首くらいのラッセルであり、アイゼンのまま問題なく進む。赤岩尾根の分岐を過ぎ、再び樹林になり足首のラッセルになる。昨日のトレースがあり、標識もあるためルートファインディングに迷うことなく進める。冷池山荘で短い休憩をとり、先を急ぐ。しばらく樹林の中を進み樹林を抜けるとクラストした雪面となり、歩きやすくなる。前方には布引山があり、鹿島槍は見えない。布引山を越え、平坦になったところで9:00の定時交信を行うが、トランシーバーは繋がらない。鹿島槍ヶ岳への最後の登りを順調に登り9:15、鹿島槍ヶ岳の頂上に立つ。西風が強い中、写真をとり、サポート隊にトランシーバーを入れる。今度は繋がり、登頂を知らせる。鹿島槍から慎重に下り、冷池山荘で一本をとり、爺ヶ岳への登り返しに入る。途中、赤岩尾根の分岐を過ぎたところで、4、5人のパーティーとすれ違う。順調に登り返し、爺ヶ岳南峰と中央峰のコルに来ると、風が強くなる。南峰頂上でサポート隊にトランシーバーを入れた後、南尾根を下り始めるが風が非常に強く、慎重に一歩一歩下る。樹林まで下ると風は弱まり、緩い登り下りを繰り返し、サポート隊の待つC1へ帰幕する。

CT) C1(5:25)-爺ヶ岳南峰(6:15-6:25)-冷池山荘(7:25-7:33)-布引山(8:35)-鹿島槍ヶ岳南峰(9:15-9:25)-冷池山荘(10:40-11:00)-爺ヶ岳北峰(12:00)-爺ヶ岳南峰(12:50)-C1(13:25)

3月8日(火)晴れ一時くもり風強し

 岩小屋沢岳へ全員でアタックの予定で出発する。幕場でも風が非常に強い。樹林先の登りであまりに風が強いのでその場で10分くらい待機する。その後樹林まで引き返してツェルトをかぶって天気待ちするが一向に風が収まる気配は無いので、本日のアタックは中止し、C1へと引き返す。帰幕後、時間が経つにつれて風は一層強さを増したように感じられた。

CT)C1(5:30)-引き返し(6:00-6:10)-樹林(6:20-7:25)-C1(7:45)

3月9日(水)雪のち晴れ風強し

 昨日からの風は依然として収まらず、そのうち雪混じりとなる。しばらくテント内で天気待ちし、7:00近くなり晴れ間が見えだす。7:20にアタックへ向かうことに決定し、出発する。風はやはり強く、樹林を抜け、2500mの台地まで何とか進むが、風は一層強さを増し、前進するのが困難なほどで、引き返すことにする。
 帰幕後、9:10の天気図をとってから全員で下部足付けへ向かう。樹林の中は無風だが、C1に帰ってくるとやはり風は強い。午後になって徐々に風の勢いは弱まる。

CT)C1(7:45)-2500m台地(8:30)-C1(8:50-10:20)-BC(10:50-10:55)-C1(11:50)

 

3月10日(木)晴れ

 よく晴れて風も大して強くない。予定通り岩小屋沢岳へ向けて出発。南尾根は雪もしまって歩きやすい。いつもより早いペースで南峰に到着。そこから赤旗をさしながら進み、種池小屋からの樹林ではすねからひざのラッセルとなる。急斜面を登り、P2510mから先は稜線上のハイマツの際のすぐ左側は雪庇が張り出しているため、少し富山側の斜面を行く。このハイマツの斜面は薄い雪面の下が所々空洞でひざまで埋まり、非常に歩きにくい。岩小屋沢岳が近くなってようやく夏道が表れ、そこからはあっという間に岩小屋沢岳の頂上に達する。この先の針ノ木への稜線は岩がちで歩きやすそうに見える。写真を撮り、昼食をとってから引き返す。帰りはトレース上を順調に進む。種池を過ぎて爺ヶ岳南峰への登り返しでは少し疲れが見える。気温が上がり、南尾根の下りはアイゼンに着いた雪をはたいて落としながら下る。帰幕後テント張替えをし、ミーティング後には待望の食糧解除とする。

CT)C1(5:27)-爺ヶ岳南峰(6:15)-種池小屋(6:50)-岩小屋沢岳(9:00-9:25)-種池小屋(10:55)-爺ヶ岳南峰(11:40)-C1(12:20)

3月11日(金)くもり

 テントを撤収し、10日間いたC1を後にする。BCを過ぎ、その下は11日ぶりということもあり、雪の量が減り、景色が大分変わっている。支尾根からの急な下りは雪が腐っていてなかなかステップが固まらず、時には後ろ向きになって慎重に下る。車道の手前でヤッケ、オーバーズボン、毛手、オーバーミトン、ピッケル、わかん、ビーコンをはずす。車道に雪は一切なく、がんがん進む。1本でゲートに着くとタイミングよくタクシーも到着したところであった。体操、下山写真の撮影の後、うっすら見える後立の稜線に向かって部歌・校歌を熱唱し、合宿を終了する。

CT)C1(6:00)-扇沢出合(8:20-8:45)-日向山ゲート(9:45)

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