2010年度 冬山決算合宿(12/26-1/7)

メンバー:千葉 佐々木 宮津 小林 杉浦(12/26-12/28) 玉川

12月25日(土) 【出発】

部室に集合し新宿駅まで二重歩荷を行う。部室に小久保OBが見送りに来て下さる。新宿駅へは廣瀬OB、天野OBご夫妻が差し入れを持って来て下さる。天野OBご夫妻に見送られながら23:54発のムーンライト信州81号で離京する。

12月26日(日) 曇 【実1:BCまで二重歩荷、ルート工作】

信濃大町駅に到着し、タクシーでゲートへ向かう。その途中からすでに街中に雪が積もっている。着替えなどはタクシーに預ける。ゲートに荷物をデポし出発する。ゲートから先も除雪されていて歩きやすく、良いペースで渡渉地点まで進む。上級生で慎重に渡渉する場所を決定し、念のためFixロープを張る。上級生のみ渡渉し荷物をデポした後、逆歩荷隊とルート工作隊に分かれる。

CT)日向山ゲート(6:35)-渡渉地点(7:10)-渡渉、BC予定地にデポ

<逆歩荷隊>
メンバー:佐々木、小林、杉浦、玉川

 1年生の荷物をBCの対岸にデポした後、ゲートにデポした荷物を取りに戻る。ゲート到着後、荷物を梱包し出発する。良いペースで林道を進み、渡渉地点に到着する。長靴が3足のため渡渉は上級生1名と1年生2名で渡渉し、デポ品があるため予定通り2回ほど往復する。行動終了後テント設営を行い上級生隊の帰りを待つ。

CT)BC(9:00)-日向山ゲート(9:31)-BC(11:10)

<ルート工作隊>
メンバー:千葉、宮津

わかんを着けて出発する。尾根取り付きは藪が濃い。取り付いてすぐにFix箇所があり、予定通りFixロープを張る。非常に急で足元には木の根が張り出し、思った以上に危険である。その先の露岩は黒沢側を巻くが、部分的に危険な箇所があるため、予備のFixロープを切って10m程度Fixする。その少し先の尾根が細く急な箇所では、黒沢側に崩壊した跡があり危険なため、ここでも予備のFixロープを切り出して15m程度Fixする。その先は1250m付近まで急斜面が続く。そこからはなだらかになり、膝ほどのラッセルを続け、引き返し時間となったので1500m付近で引き返す。ルートを整備しながら下り、BCへと到着する。

CT)BC予定地(9:25)-1500m付近(14:00)-BC(16:08)

12月27日(月) 曇後雪 【実2:C1偵察】

食当の不手際で出発が遅れる。Fix箇所の通過が行いづらいため、わかんは着けずに出発する。取り付いてすぐのFix箇所を慎重に通過していく。1350m付近でわかんを着ける。昨日到達した1500m付近まではトレースが残っているが、そこからは膝ほどのラッセルをして進む。1600m付近からは腰ほどのラッセルとなる。上級生でラッセルを交替し、ルート整備も同時に行いながら登る。特に危険な箇所はないが、根や笹で滑る急斜面もあり、注意して登る。C1予定地に到着し、昼食をとった後引き返す。下りでもルートを整備していく。1400m付近まで下ってきたところで1年生1名が突然気を失い倒れる。呼びかけると数十秒で意識を取り戻すが、少し朦朧とするらしい。受け答えは問題なく脈は正常である。そこからは4年生とアンザイレンして下る。1250m付近でわかんをはずす。Fix箇所は木の根で足をとられたり滑るのでゆっくりと慎重に下る。最後のFix箇所の通過中に1年生1名がまた気を失い、Fixロープにぶら下がって止まる。呼びかけながら駆け寄り、1分程度で意識を取り戻す。そこからはコンテニュアスではなく確保して降ろす。他の者も慎重に下り、BCに到着する。病院に連れて行きたいが暗い中での渡渉は避け、翌朝連れていくことにする。

CT)BC(6:33)-C1予定地(12:42-13:00)-1400m付近(14:30-15:25)-BC(17:18)

12月28日(火) 晴後雪 【1年生を連れ病院へ、他のメンバーは待機】

昨日気を失った1年生を病院へ連れて行くこととする。3年生1名と1年生2名はBCで待機し、気を失った1年生1名と上級生2名で戻る。明るくなってから渡渉するため出発を30分遅らせる。Fixロープを張り渡渉してゲートまで戻る。ゲートで原田ヘッドコーチに連絡し、タクシーで市立大町総合病院へ行く。病院到着後に三戸呂OBに連絡する。病院でいくつか検査をしてもらうが異常はない。しかし、より精密な検査を受けさせるため1年生は東京に帰すことにし、ご家族に連絡し迎えに来ていただくこととする(12:30)。その旨を原田ヘッドコーチ、三戸呂OBに連絡する(12:50)。15:40頃、監督から電話をいただく。19:30頃、病院に三戸呂OBが来て下さる。その後、1年生の保護者が病院に到着する(20:20)。話をした後、三戸呂OB宅の車で送っていただき、1年生と保護者は信濃大町駅で別れて宿をとりに、上級生2名は三戸呂OB宅に泊めていただく(21:50)。BCでは携帯電話が繋がるため、BCのメンバーには随時連絡する。

CT)BC(6:55)-渡渉地点(8:10)-ゲート(8:35)-病院(9:10)

12月29日(水) 雪 【再入山後、上級生2名でC1偵察、他のメンバーで荷物の再梱包】

三戸呂OB宅の車でゲートまで送っていただく。ゲートで準備をして出発する。街中でも雪が降り積もり、ゲート付近もかなりの降雪がある。その先は除雪されており、すぐに渡渉地点に到着する。デポしておいた長靴で渡渉し、BCの3名と合流する。その後、2、3年生でC1までルート整備に、他のメンバーはテント張替えと1年生1名がいなくなった分の食糧を分けて梱包しなおす。

CT)再入山:ゲート(6:20)-BC(7:25)

<偵察隊>
メンバー:佐々木、宮津

 再入山した2名と合流後、準備し出発する。昨夜の降雪でトレースが消えている。ラッセルは膝から腰程度であり、樹林帯の中であるため風は穏やかである。交互にラッセルを行いながら進み、C1予定地の1930mに到着する。到着後、引き返し時間まで整地を行う。下りでは標識を充実させながらBCへと帰幕する。

CT)BC(8:05)-1720m(11:30)-C1予定地(12:45-13:00)-BC(15:12)

12月30日(木) 雪 【実3:C1歩荷】

尾根の下部は根が張り出していて滑るため、アイゼンを着けて出発する。重荷のため慎重に登っていく。Fix箇所を全て通過した後わかんに着け替える。昨日からの降雪でトレースには30-40cmの積雪があるが、雪は軽く、良いペースで登っていく。1720mで昼食をとる。その後も良いペースでC1予定地に到着する。整地、デポをした後引き返し、早いペースでBCへと下る。到着後、BCにデポする荷物の準備をする。

CT)BC(6:25)-1720m(10:35-10:58)-C1予定地(12:20-12:55)-BC(15:32)

12月31日(金) 晴時々曇 【実4:C1入り】

テント撤収、梱包しアイゼンを着けて出発する。デポ品は1mくらい雪に埋め、赤テープを付けた長い木の枝を周りに刺しておく。非常に気温が低く、雪が固まりづらい。慎重にFix箇所を通過していく。午前中は晴れ間がある。トレースは残っているが、上部に行くにつれて強風でトレースの消えている箇所が増える。昼頃から風が強まり地吹雪が舞う。やがてC1に到着するが、時間が遅いため上部ルート工作は行わない。

CT)BC(6:28)-1720m(11:40-12:05)-C1(13:30)

1月1日(土) 晴時々雪 【実5:FC偵察】

昨晩まで強かった風は収まり、天気の良い中をラッセルしていく。基本的になだらかだが、部分的に黒沢側に雪庇が発達しているため、慎重にルートファインディングを行う。ラッセルは浅い所で脛、深い所では腰ほどである。ラッセルを交替しながら、同時にルート整備をして登っていく。2320mのFix予定地は問題なかったためFixロープは張らないこととする。その先の2350mのFix箇所は南側に雪庇が発達し、北側は急斜面のため予定通りFixを張る。2、3年生で工作を行い、1P目を張った後2P目はひとまずメインFixし1年生、4年生が通過する。終了地点から100m程度進んだ南寄りの場所にFC予定地の広い箇所があり、その樹林で囲まれた吹き溜まりを削り出し、整地して標識をつけた後引き返す。ルートを整備しながら良いペースで下りC1に到着する。

CT)C1(6:28)-Fix地点(10:40)-FC予定地(12:40)-C1(15:31)

1月2日(日) 晴 【実6:FC歩荷】

昨夜の風でトレースが消えているが雪は軽い。やや風のある中、良いペースで登っていく。北西の空だけがぽっかりと晴れ、青い空が覗いている。Fix箇所の手前でハーネスを付ける。この付近から晴れ間が広がり、振り返ると大町が見下ろせる。Fix箇所も順調に通過し、FC予定地に到着する。時間があるため、整地、デポの前に弱層テストの方法を教える。その後、昼食をとってから下り始める。良いペースで下り、C1に到着する。

CT)C1(6:28)-Fix箇所(9:00)-FC予定地(9:24-11:00)-C1(12:00)

1月3日(月) 晴 【実7:FC入り】

テント撤収、梱包に時間がかかり出発が遅れる。風は弱く天気が良い。北アルプスや周囲の山が一望できる。トレースが残っており良いペースで進む。Fixを通過し、早い時間にFCに到着する。その後、上級生2名で上部偵察へ行く。他のメンバーはテント設営を行った後、雪洞作成の練習をする。

CT)C1(6:43)-Fix箇所(8:50)-FC(9:15)

<偵察隊>
メンバー:千葉、宮津

ヘルメット、ザイルを着けて出発する。FCのすぐ先のFix箇所は非常に細く、南側に雪庇が発達し、その下の斜面には1m程度の雪崩の破断面が広がっている。予定通りFixロープを張る。そのすぐ先の露岩は北側を巻こうとするが、部分的に凍っており、トラバース箇所はクラストしているためアイゼンに着け替える。その先もしばらく尾根が細く南側に雪庇が出ているため、慎重にルートファインディングしながら進んでいく。2500m付近までは樹林の陰に吹き溜まって膝ほどのラッセルの所もあるが、その先はクラストしていたり非常に固い箇所が多い。2500m付近から先はほとんど木がない。雪庇に注意しながら標識を取り付けて進んでいく。まれにクラストを踏み抜いて身体がはまることがある。時折ガスがかかるが天気は良く、順調に2720mのピークに達する。ここで引き返し、ルート整備をしながらFCへと戻る。

CT)FC(9:55)-2620m(13:17)-2720m(13:55)-FC(15:40)

1月4日(火) 晴 【実8:蓮華岳頂上往復】

ヘルメット、アイゼン、ザイルを着けて出発する。早朝は薄曇で星が見える。FC周辺は風は弱いが非常に寒い。Fix箇所を通過し露岩はトラバースする。昨日のトレースが残っており、良いペースで進む。上部に行くにつれて北からの風が強まる。周囲の山には雲がかかり、ここだけが晴れているようである。昨日の到達地点を過ぎる。雪面は固く、南側に少し雪庇が出ている。風の強い中を進み、やがて蓮華岳山頂に到達する。山頂で写真を撮り、校歌を歌う。すぐ奥の若一王子神社奥宮でも写真を撮る。ここでも上空は晴れているが、周りの山には雲がかかっている。その後引き返し、標識を回収しながら下る。2500m付近の、テントを見下ろせる場所で昼食をとる。その後も良いペースで下り、FCに到着する。到着後、2、3年生で2400mのFixを回収する。

CT)FC(6:25)-蓮華岳(8:56-9:40)-2510m(10:25-10:45)-FC(11:10)

1月5日(水) 雪 【実9:C1まで二重歩荷、C1入り】

梱包の不手際で出発が遅れる。朝から深々と雪が降っている。ガスで200mくらいの視程である。Fix箇所を慎重に通過し、その後は順調に下る。C1まではうっすらとトレースが見える。C1到着後、デポをして引き返す。良いペースで登り、FCへと戻る。FCで昼食をとってからテントを撤収、梱包し出発する。Fix通過後、2、3年生でFixを回収する。その後は標識を回収しながら下り、C1に到着する。

CT)FC(6:54)-C1(8:05-8:25)-FC(9:52-11:45)-Fix回収(12:10-12:55)-C1(13:55)

1月6日(木) 雪時々曇 【取り付きまで下った後に対岸へ渡り幕営】

テント撤収、梱包して出発する。C1からの下りはトレースが全く分からず、浅い所で膝、深い所で腰ほどのラッセルがある。標識を頼りに進み、回収しながら下る。雪が深い箇所では上級生が空身でラッセルする。1720mで休憩する。その先の急斜面は危険なため、1年生のザックを上級生が歩荷して通過する。その後は膝から腿ほどのラッセルをして進む。傾斜がきつくなる手前の1250m付近でアイゼン、ザイルを着ける。そこからは急で根が張り出していて滑ったり、足を取られたりする箇所があるため慎重に下る。上部の2本の短いFixを全員が通過した後に2、3年生が空身でFixを回収する。他のメンバーは待機している。取り付きの70mのFixは1年生をザイルで確保して下る。ここも全員が通過した後に2、3年生でFixを回収する。その間、他のメンバーはBCのデポ品の回収と、渡渉用Fixの固定を行う。荷物が多いため数回に分けて対岸に荷物を運び、全員が渡渉を終えるが、時間が遅く余裕をもって東京に帰ることができないため、林道すぐ脇の樹林帯に幕営する。

CT)C1(6:25)-1720m(8:05)-1250m(10:43-11:30)-BC(14:40)-幕営地(16:25)

1月7日(金) 晴 【下山】

荷物が多いため2、3年生で一度ゲートまで歩荷する。除雪されていてすぐにゲートに到着し、デポして引き返す。2名が戻った後テント撤収、梱包して出発する。スノーシェッドの前後など滑りやすい箇所があるため注意して歩き、全員元気に下山する。帰京前に全員で三戸呂OB宅にごあいさつに伺う。

CT)歩荷隊:幕営地(6:20)-ゲート(6:46-7:00)-幕営地(7:20)
   全体:幕営地(8:28)-ゲート(8:50)

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