2015年度 春山合宿(3/8-3/24)


3月7日(土)

時間通りに部室に集合、出発し新宿駅まで二重歩荷で移動する。新宿駅に長島OBが見送りに来てくださる。夜行バスで離京し白馬八方バスターミナルへと向かう。


3月8日(日) 曇 【BC入り、C1偵察】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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予定通り、白馬八方バスターミナルに到着する。徒歩で白馬アルパインホテルまで向かう。ホテルには、植村直己冒険館の方々、山本篤OB、天野OB、谷山ヘッドコーチ、三戸呂OBがおり激励の言葉をくださる。ホテルで朝食を食べ、その後タクシーで二股へ向かう。二股到着後、故梶川OBの追悼を行う。出発の準備をした後、林道から一段上がりBC設営を行う。設営後わかんをつけてC1偵察に向かう。BCから1200m付近まで急斜面が続く。雪質は粗目状であり、踏み抜いてしまう箇所がある。1300mより上部では雪質が安定し、脛程のラッセルとなる。ガスがかかっており視界は50m程である。1700m付近では慎重に偵察し、C1予定地を決める。C1予定地を整地した後、BCへと標識を充実させながら下る。

CT)BC(7:55-9:45)-C1予定地(13:10-13:20)-BC(14:56)

3月9日(月) 曇後晴後雨 【C1荷上げ】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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荷上げの官物を梱包して出発する。BCから1200m付近は昨日よりも気温が低くなっている為、雪質が固くなっており歩きやすくなっている。トレースが残っており、ラッセルは無い。1200m付近を過ぎると、1年生が遅れペースが上がらない。そのままのペースで進んでいき、C1予定地に到着する。天候は曇だが、唐松岳、白馬鑓ヶ岳、杓子岳を望むことができる。官物をデポし、昼食を食べた後BCへと下る。

CT)BC(5:57)-C1予定地(10:20-11:00)-BC(12:27)

3月10日(火) 雪 【C1荷上げ】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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荷上げの官物を梱包して出発する。BCから1200m付近まで降雪によりトレースの上に10cm程の積雪がある。そこから上部は脛から膝程のラッセルとなる。1200mを過ぎてから1年生が大きく遅れ始め、ゆっくりとしたペースで進みC1予定地に到着する。天候が良くない為、整地し官物をデポした後すぐ下り始める。良いペースで下りBCに到着する。

CT)BC(6:00)-C1予定地(10:35-11:17)-BC(12:32)

3月11日(水) 雪 【C1入り】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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わかん装着、梱包に1年生が時間がかかり出発が遅れる。BCから1200m付近までは降雪により脛程のラッセルとなる。1年生が大きく遅れ、ペースが上がらない。周辺からは頻繁に雪崩の音が聞こえる。1200mより上部では、膝から腿程のラッセルとなる。1400m付近で昼食をとり、天候が悪化し吹雪いてきた為ゴーグルをつける。その後はゆっくりとしたペースで進んでいき、C1予定地へ到着する。風が強いためテント設営、ブロック作成を全員で行う。テント設営が15:30頃に終了した為、引き返し時間を考慮し本日は上部偵察へは行かずに行動を終了する。

CT)BC(6:10)-C1(13:40)

3月12日(木) 雪 【2030mまで偵察】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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1年生のわかん装着に時間がかかり出発が遅れる。出発時から腿程のラッセルとなる。小日向山手前の斜面1850mでザイルをつける。小日向山からの下りでは視界不良によりコルが見えないため、慎重に下っていく。徐々に天候が悪くなり風雪が強まった為ゴーグルをつける。コルから先は胸程のラッセルとなり、ペースが上がらない。雪庇は長走沢側に見られる。2000m付近の急斜面でFix工作50m×1P行う。その際の支点は木、Fixバーでとった。その後2030mまで偵察するが、天候とメンバーの状態を考慮し引き返し時間を1時間早め、C1へと引き返す。下りでは、トレースが消えており、腿程のラッセルとなる。小日向山から少し下った1880m付近で1年生に低体温症の症状が見られた為、レーションと温かいお茶を摂らせる。1年生の荷を抜いて下りC1へと到着する。

CT)C1(6:21)-2030m(13:30)-C1(16:49)

3月13日(金) 雪 【停滞】

昨日の行動によるメンバーの疲労状態を考慮し、停滞をして休養する。停滞中はテントラッセル等テント周りの整備をする。


3月14日(土) 晴後曇 【FC偵察】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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サブ梱包でFC偵察へと向かう。白馬村の方面は晴れているものの、杓子岳の方角ではガスがかかっている。昨夜までの降雪によりC1から腰程のラッセルとなり、空身で交代していく。赤旗は先端のみ見える状態であり、標識を整備しながら進んでいく。昨日の行動から小日向山先のコルまでは樹木があった為、ハーネス、ザイルはその先の1860m付近でつける。小日向のコルより上部では積雪量がさらに多く、胸程のラッセルが続く。2100m付近の急斜面でFix工作20m×2Pを行う。支点は木、Fixバーでとった。ゆっくりとしたスピードで進み樺平へと到着する。樺平では慎重に偵察しFC予定地を決め、整備した後C1へと下る。下り始めると3年生1名に低体温症の症状が見られた為、レーションと温かいお茶を摂らせ空身で下らせる。ゆっくりとしたペースで下り、C1へ到着する。

CT)C1(5:58)-FC予定地(13:29-13:50)-C1(16:21)

3月15日(日) 晴 【FC荷上げ】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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荷上げの官物を梱包して出発する。天候は良く、順調なペースで進んでいく。トレースは風によって消えている箇所が多く、膝程のラッセルとなる。ハーネス、ザイルは小日向のコル手前の1860m付近でつける。FC予定地到着後官物をデポした後、良いペースで下る。下る際もトレースは風により消えており、脛程のラッセルがあった。行きと同じ箇所でハーネス、ザイルを外し、良いペースでC1へ下る。帰幕後時間があったため、出発遅れの原因となっていたわかん着脱の訓練をする。

CT)C1(6:00)-FC(10:09-10:31)-C1(12:51)

3月16日(月) 晴 【FC荷上げ】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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荷上げの官物を梱包して出発する。天候は良く、トレースが残っている。良いペースで進んでいき、小日向のコル手前の1860m付近でザイル、ハーネスをつける。小日向のコルから先は気温の上昇により、所々地形が変化している。長走沢側の斜面には面発性雪崩の痕が多く見られた。FC予定地到着後、官物をデポした後、翌日の行動に備えてブロック作成を1時間程行う。その後下り、行きと同じ場所でハーネス、ザイルを外しC1へ良いペースで下る。

CT)C1(5:54)-FC(9:04-10:07)-C1(11:48)

3月17日(火) 晴
FC入り隊【FC入り】

メンバー:松本 小野

テントを撤収して出発する。トレースは残っており、良いペースで進んでいく。昨日同様気温は高い。予定のコースタイムよりも早い時間でFCに到着した為、テント設営をした後、上級生4名で2450m付近までを目安に上部偵察に向かう。幕場に残った2名でブロック補強を行う。その後14:15に偵察を終えた上級生隊が帰幕する。

CT)C1(5:37)-FC(8:17)

上部偵察隊【2450m付近まで上部偵察】

メンバー:長坂 太田 松木 宮武

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FCまでFC入り隊と同一行動をとる。予定よりFCに到着するのが早かった為、計画していた奥双子付近までの偵察を変更して上級生4名で、2450m付近までの偵察を行うことにし、ハーネス、ザイル、ヘルメット、わかんを装備して出発する。ラッセルは深い所で20~30cm程であった。標識を充実させながら進み、2250m、2280m付近は急斜面であると考えFix工作を行う予定であったが、必要無いと判断しFix工作は行わずに通過する。ゴジラの背のFix工作では、岩峰を長走沢側に巻きつつ雪の付いている箇所から上部に出て、岩峰上を進むようにFix工作40m×1P、30m×1Pを行い、太い枝とFixバーで支点をとった。その後、2450m付近では岩稜帯のナイフリッジのためFix工作を行う予定であったが、ナイフリッジではなかったため、Fix工作は行わないこと判断しFCまで下る。

CT)FC(9:36)-2450m付近(13:28)-FC(14:15)

3月18日(水) 晴
上部偵察隊【2700m付近まで上部偵察】

<h5メンバー:松本 太田 松木 宮武

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ハーネス、ザイル、ヘルメット、わかんを装備して出発する。昨日のトレースが残っておりラッセルは無いが、2450m以上では20~30cm程のラッセルがあった。ゴジラの背では昨日よりも融雪が進み岩肌が見えており、一部よじ登るような箇所があったため注意して通過する。その後、JPから少し進んだ2600m付近の1つ目の小ピークを杓子沢側に巻き、2つ目の小ピークは長走沢側を巻くようにFix工作50m×1P、30m×1Pを行い、Fixバーとハイマツで支点をとった。2660mからは急斜面で雪面が固く危険であった為、アイゼンに履き替えFix工作50m×2Pを行った後下り始める。こちらもFixバーとハイマツで支点をとった。計画していた地点までの偵察は終了したが、2700mからも岩稜帯のナイフリッジであり危険である為、上部に計画の他にFix工作40m×1Pが必要であると判断しFCまで下る。

CT)FC(5:52)-JP(7:30)-2700m付近(9:59)-FC(12:23)

サポート隊【2450m付近までFixロープの荷上げサポート】

メンバー:長坂 小野

2450mまで上部偵察隊の荷上げサポートを行った後、別れて引き返す。ゴジラの背では、融雪が進んでおり、踏み抜いてしまう箇所が多いため慎重に下る。その後はルートの赤旗を整備しながら順調に下り、FCに到着する。到着後はブロック補強を行う。12:23に上部偵察隊が帰幕する。

CT)2450m(7:11)-FC(8:52)

3月19日(木) 雨後晴 【停滞】

本日は杓子岳頂上往復を行う予定であったが降雨であり、予備日に余裕があったため停滞をする。


3月20日(金) 晴
【2150m付近で引き返し、雪上訓練】

メンバー:松本 太田 小野

ヘルメット、ハーネス、ザイル、アイゼンをつけ、杓子岳へ向け出発するが、3年生1名の体調が悪く行動できないと判断し、他の3年生1名、1年生と共に引き返す。体調の悪い3年生1名は休養とし、1年生はテント場周辺で以下の訓練を行う。次の日は3年生1名の体調不良を考慮し、Fix回収は行わず白馬岳頂上往復を行う事に決定する。
【訓練内容】
アイゼン着脱                  0゜10’
ダイヤモンド歩行                0゜50’
滑落停止                     0゜30’
コンテニュアス           0゜30’
ワンアット                    2゜00’
合計4゜00’

CT)FC(5:52)-2150m(5:57)-FC(6:02)

上部偵察隊【杓子岳まで上部偵察】

メンバー:長坂 松木 宮武

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ハーネス、ザイル、ヘルメット、アイゼンを装備して出発する。雪は固く締まっており歩きやすい。Fix箇所の支点を点検し、Fixロープを掘りだしながら偵察を行う。ゴジラの背では昨日の雨の影響で融雪が進み雪の下が空洞になっている箇所ができ始めていたため、注意して通過する。標識を整備しながら進み2660mからの急斜面のFix箇所を注意して通過し、Fixの終了地点からFix工作40m×1Pを行った。ここでは岩とFixバーで支点をとった。その後は、2800mが岩稜帯のナイフリッジであったため山頂直下までFix工作50m×2Pを行い、支点は岩とハイマツ、太い枝、Fixバーでとった。頂上直下の岩峰は脆かった為、注意して通過し杓子岳に着く。到着後、白馬岳頂上往復で使用する標識を安全な場所にデポする。頂上からの眺望は良く北アルプス全体が見渡せた。下りでは気温が上昇により2500m付近から雪が溶け始め、踏み抜きやすくなっていた。慎重に下りFCに到着する。

CT)FC(5:52)-JP(8:28)-2700m付近(9:13)-杓子岳(12:07)-FC(13:21)

3月21日(土) 晴
本隊【停滞、雪上訓練】

メンバー:松本 太田 松木 小野

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3年生1名の体調が回復しない為、停滞とする。体調の悪い3年生1名は休養とし、1年生はテント場周辺で以下の訓練をする。その後、ブロック補強を行う。
【訓練内容】
Fix工作 2P                  2゜30’
Fix回収 1P                  1゜00’
懸垂下降4P                  0゜40’
合計4゜10’

白馬岳頂上往復隊【白馬岳頂上往復】

メンバー:長坂 宮武

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ハーネス、ザイル、ヘルメット、アイゼンを装備して出発する。気温が低く雪が締まっておりラッセルは無く順調に進む。ゴジラの背は昨日よりもさらに融雪が進み、雪の下が空洞となり崩れていた箇所もあった。JPを過ぎた辺りから風が強まる。その後のFix箇所では2660mからの急斜面に注意しながら進み、頂上直下の脆い岩も注意して通過し杓子岳に到着する。到着後、標識を充実させながら白馬岳へと向かう。杓子岳から白馬岳までも雪が締まっておりラッセルは無いが、風の影響により稜雪が無く登山道が見えている所もあった。雪がついている箇所は所々踏み抜きやすくなっていた為、注意して進み、白馬岳に到着する。頂上からの眺望は良く北アルプス全体が見渡せた。その後、杓子岳まで下る。杓子岳では2名の登山者に会う。この日も気温が上昇するにつれて2500m付近から雪が溶け始め、踏み抜きやすくなっていたため慎重に下りFCに到着する。

CT)FC(5:00)-2580m(5:50)-杓子岳(6:55)-白馬岳(8:35)-杓子岳(10:11)-JP(10:32)-FC(11:08)

3 月22日(日) 晴 【杓子岳頂上往復、Fix回収】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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ハーネス、ザイル、ヘルメット、アイゼンをつけ出発する。雪面が固く締まっており登りやすく、好天により眺望も良い。Fix箇所では支点を確認しながら慎重に通過する。JP手前でスキーヤーと出会う。2700mと頂上直下の雪の急斜面は特に雪面が固く、アイゼンが効く。直下の岩と雪面のミックスした箇所と雪の急斜面のFix箇所を抜け、頂上に到着する。下りの際は上級生2パーティーがメインFixを張りFixロープを交代で回収していく。2500m付近からは登りは固かった雪面も気温上昇に伴い、踏み抜きやすくなってくる。赤旗を回収しながら順調に下りFCへと帰幕する。予備実動はC1で行うはずであったFix工作訓練が終了しており、他の訓練はBCでも行えると判断し、翌日はBCまで下ることに決定する。

CT)FC(5:53)-杓子岳(8:35-8:57)-FC(11:47)

3月23日(月)  雪後曇後晴 【BC荷下げ、Fix回収、雪上訓練】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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テント撤収をして、ハーネス、ザイル、アイゼンつけて出発する。雪面は固く締まっている。標識を回収しながら下っていく。標識や樹木の位置関係から60~80cmの融雪の具合が窺える。Fix箇所は上級生2パーティーが回収する。小日向山手前の1880m付近でハーネス、ザイルを外す。1年生のペースが上がらず、ゆっくりとしたペースで進む。1200m付近でわかんに履き替えて下るが、下部の送水管脇の急斜面では雪が不安定で特に足がはまりやすい。足元に注意しながら下りBC跡地に到着し、テントを設営する。その後以下の訓練を行う。
【訓練内容】
ホワイトアウトナビゲーション           0゜30’
ビーコンゾンデ探索                  1゜00’
埋没体験 0゜30’
梱包訓練                       1゜00’
合計3゜00’
<>h6CT)FC(6:00)-C1跡地(8:26)-BC(11:43)


3月24日(火) 雪 【雪上訓練、下山】

松本 太田 長坂 松木 宮武 小野

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BC周辺で雪上訓練を行った後、テント撤収、梱包をし二股まで下山する。
【訓練内容】
ツェルト搬送 1゜30’
わかん着脱訓練 0゜40’
合計2゜10’

CT)BC(9:02)-二股(9:06)