2003年度 春山合宿(2/26-3/12)

2003年度 春山合宿(2/26-3/12)


2月26日(木) 晴

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 部室で森OBと合流。高野監督、山本篤ヘッドコーチに見送られて上野駅へ。駅から小久保、北村、三戸呂でダブル歩荷。上野には中沢OB、加藤OB、天野OB、谷山OBが見送りに来て下さった。23:33能登にて離京。途中、高崎で松本OBが合流される。


2月27日(金) 雪後晴 【千寿ヶ原-七姫平】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB
 電鉄富山駅の待合室でテルモスに紅茶を詰めた後朝食。立山行きの電車を待っていると出勤途中の山本宗彦OBが来られ、同じ電車に乗る。立山駅で別れた後、再梱包。デポ品は駅の入り口に置かせてもらう。その後杉田屋に挨拶に行き、コーヒーをご馳走になる。再び駅に戻って出発。ガソリンスタンド先のゲートまでは除雪されている。その先、すね位の積雪があるが軽い新雪で難なく進む。所々で雪崩を警戒して間隔をあけて進む。途中、鉄柵を薙ぎ倒す程の雪崩跡があり、1人ずつ通過する。七姫平に着きテント設営をしていると、山岳警備隊の人達がやって来て近くで休憩した後、スキーで人津谷に入って行った。設営、昼食の後、小久保、森OBで上部偵察に向かい、残り4人で逆歩荷。
〈偵察〉
 橋の先のガードレールを乗り越えて取り付きへ。始めから急な登り。ラッセルはすねから膝下くらい。空は次第に晴れて暑いくらい。上に行くほど傾斜は緩くなる。丸山(972m)のピークで引き返す。赤テープを補充しながら下り、650m付近の送電線の下の樹林が無くなっている斜面にFIX2P張り、帰幕。

CT) 千寿ヶ原(8:50)-七姫平BH(10:00)
    上部偵察隊 BH(11:30)-丸山(13:30)-BH(15:10)
    逆歩荷隊  BH(11:20)-立山駅(12:00-12:20)-BH(13:10)

  


2月28日(土) 快晴 【BH-二本杉BC-BH】

メンバー 偵察隊 小久保 三戸呂 森OB
歩荷隊 乙山 北村 松本OB

〈偵察隊〉
 昨日のトレースを辿って丸山まではサクサク進む。コルの先の急登を越えればあとは緩く広い尾根をすね位のラッセルで進み、二本杉に到着。二本目の杉の脇をB.C.予定地として整地。南側に鍬崎山が綺麗に見える。官物をデポしてB.H.に戻る。帰幕後、テント張り替えを行う。その最中、またしても他のパーティーがやって来る。その中に去年鍬崎山で会った社会人山岳会の人がいた。スキーで人津谷に入って行った。
〈歩荷隊〉
 偵察隊に5分遅れて出発。綺麗なトレースがあり、順調に進む。二本杉手前で追い付く。下りは同一行動。

CT) BH(5:45)-二本杉BC(7:40-8:05)-BH(9:00)

2月29日(日) 雨 【BH-BC-BH】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 起きると外は雨。出発の頃には小降りに。今日は全員でB.C.へ歩荷。雨具で出発。順調に進み、二本杉に着く頃には雨はほぼ止む。デポしてすぐに引き返す。帰幕後、テント張り替え。この頃、再び雨が降り始め本降りに。外張りは雨に弱く、少し雨漏りする。

CT) BH(5:55)-BC(7:50-8:10)-BH(9:00)

3月1日(月) 雪後曇 【BH-BC】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 今日はB.C.入り。しかし梱包の際、補助ザイルが1本見当たらない。全員で確認するが明らかに下にはない。昨日間違ってデポしたとしか考えられず、やむを得ず出発する。昨日同様、順調にB.C.に到着。デポ品を確認すると補助ザイルがあった。乙山、三戸呂、森OBはすぐに上部偵察の準備をして出発。残りのメンバーでテント設営。
〈偵察隊〉
 はじめは広く緩やかな尾根でルートはわかりにくい。P1356mへの雪崩斜面を50mほど登るが雪崩の危険性を考えてFIXを張ることにする。斜面の基部から3P張る。雪崩斜面を終えて稜線上に上がったところで昼食。1400mの小ピークから先所々細くなったり小さな雪庇が現れるがルートを選べば問題はない。急な登りが2箇所あるが全体としては傾斜は緩い。雪見平(1566mのJ.P)には警備隊と文部科学省の旗があった。ここで引き返す。赤テープを補充しながら慎重に下る。

CT) BH(5:45)-BC(7:40)
    偵察隊 BC(8:05)-P1356m手前(11:50-12:00)-雪見平(13:25)-BC(14:30)

3月2日(火) 晴後雪 【BC-雪見平-前大日岳AC-BC】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 本来偵察と追いかけ歩荷で隊を分ける計画であったが、隊の実力を考慮して基本的に同一行動とし、本日は全員でA.C.までの偵察とする。雪崩斜面のFIXは問題なく通過。1480m付近の急登にFIX55mを2年2名で張る。雪見平から先は交代でラッセル。途中小ピークへの登りで柔らかい雪の下に硬い層があり、アイゼンに履きかえる。その後順調に前大日岳に到着。テント2-3張り分のスペース。整地、赤旗をデポして引き返す。天候が悪化してきており、急いで下り、帰幕する。降雪が激しく夜中にテントラッセルの必要がありそうな勢いである。

CT) BC(5:55)-雪見平(9:25)-前大日岳AC(11:00-11:20)-BC(13:15)

3月3日(水) 雪後晴後曇

メンバー 上部足付け 小久保 北村 森OB
      下部足付け 乙山 三戸呂 松本OB

 全員でA.C.への歩荷の予定だったが、昨日からの積雪が4時ごろまで続いており、積雪は50-60cm。よって雪崩斜面の通過は危険と判断し、A.C.へは行かないことにする。訓練も兼ねて歩荷の梱包まではやり、その後官物をテントの中に戻してから上部・下部に分かれて足付けに出発する。
〈上部足付け隊〉
 昨日のトレースを探しながら進む。膝くらいの積雪だが軽いので難なく進む。FIX箇所手前で弱層テスト。下の方に弱層は見られるが丈夫である。それよりも上の方の昨日から積もった新雪による表層雪崩が懸念される。テストをしたらすぐに引き返す。
〈下部足付け〉
 下部も積雪はあるが軽いのでラッセルと言えるほどのものではなく、難なく進む。標識を整備しながら丸山の下り始めまで行って引き返す。二本杉手前で先に戻ってきていた森OBと合流する。帰幕後、9:10の天気図を取り、その後休息とする。

CT) 上部足付け隊 BC(6:15)-FIX基部(6:35-7:00)-BC(7:15)
   下部足付け隊 BC(6:15)-丸山(7:00)-BC(7:25)

3月4日(木) 曇後雪 【BC-デポ地点-BC】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 出発する頃になって雪が降り始める。次第に強さを増し雪崩斜面を過ぎても勢いは止まらず、P1356mの手前の木の根元に官物をデポして急いで引き返す。帰幕後は一旦入幕し、9:10の天気図を取った後小久保と森OBで下部に足付けに向かう。残りのメンバーでテント張り替えをする。途中で小久保も合流し、3回目で時間(15分)をクリアした。

CT) BC(5:50)-デポ地点(7:00-7:15)-BC(7:40)
    下部足付け隊 BC(10:20)-丸山(10:30)-BC(10:50)

3月5日(金) 晴

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 天気も良く弱層テストも問題はない。昨日のデポ地点まで行き再梱包。交代でラッセル(すね-膝くらい)しながら進む。以前通ったとき硬かった雪面の上に風で運ばれた雪が乗っている。最後までわかんでA.C.に到着。気温が低く雪が安定しない。風も強く、デポした後アンザイレンしてB.C.まで下る。

CT) BC(5:45)-雪見平(8:10)-AC(9:15-9:35)-BC(11:20)

3月6日(土) 雪 【BC-雪崩斜面直下-BC】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 いよいよAC入りの予定だが、前線を伴った低気圧が接近しており、昨夜から小雪交じりの風が強い。テント撤収して出発するが風止まず、上部では更なる悪天が予想されるため雪崩斜面直下にて引き返す。再びテント設営して9:10の天気図を取る。低気圧通過後は冬型の気圧配置となるため、以後停滞。

CT) BC(5:30)-雪崩斜面直下(6:00-6:20)-BC(6:40)

3月7日(日) 雪 【BC-丸山-BC】

メンバー 上部足付け 小久保 三戸呂 松本OB
      下部足付け 乙山 北村 森OB

 起床時は小雪が舞う程度でこれなら行けると判断するが、撤収して出発する頃に本格的に降り始めたので行動を中止。テントを設営してサブ梱包で待機。7:30まで待って上部・下部に分かれて足付けに向かう。帰幕後、天気図を取るときれいな冬型。よって停滞。

CT) 上部足付け隊 BC(7:45)-雪崩斜面直下(8:00-8:10)-BC(8:20)
    下部足付け隊 BC(7:50)-丸山(8:25)-BC(8:50)

3月8日(月) 雪後晴

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 朝の時点での降雪はそれほどでもないが昨日からの積雪は50cm位。朝食後、天気待ちとする。その後積雪量の多さから雪崩を懸念して一旦停滞とするが、空はどんどん晴れてくる。また下山の事を考えると予備日・食糧ともに後がないこともあり、雪が安定するのを出来るだけ待って10:00に出発する事にする。雪崩斜面直下で弱層テスト。表層の雪は柔らかいがさらさら流れるような雪質ではなく安定している。雪崩斜面を越えてからは交代でラッセル。膝から腿くらいで苦戦する。1480mのFIXはA.C.配置分なので通過後、回収する。雪見平手前からは空荷でラッセル。AC到着後、急いでテント設営をする。

CT) BC(10:00)-雪見平(13:30)-AC(15:05)

3月9日(火) 晴時々雪 【AC-1960m付近-大日岳の肩-AC】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 雪庇の状況を把握するため明るくなるのを待った後、アンザイレンしてわかんで出発。ラッセルは膝くらい。コル付近は両側に雪庇が出ており、所々尾根を横断しながらルートを選んで行く。登りに入ると硬い雪面が出てくる。表面の5cm位の柔らかい雪の下に硬い層がある。ここでアイゼンに履きかえる。1960m付近で視界がなくなり、ツェルトをかぶって天気待ちをする。2時間ほど待つと太陽が顔を出し、視界が戻ったので出発する。P2011mは真上を通り、越えた所でアイゼン・わかんにする。早乙女岳は広い稜線だが北側は巨大な雪庇である。低木の間を縫うように進む。大日岳の肩(2150m)へ登り始める頃どんどん視界が悪くなり、登りが終わるとほとんど視界がなくなる。地図とコンパスでそこを偵察目安(大日岳の肩)と断定し、赤旗をデポして引き返す。天気待ちした場所でわかんをはずす。その先の下層が固い雪面のトラバースと急斜面にFIXを計4P張り、更にメインFIXを1P。通過後、急いで帰幕。

CT) AC(5:55)-1960m付近・天気待ち(7:50-9:50)-大日岳の肩(12:05)-AC(15:50)

3月10日(水) 快晴 【AC-大日岳の肩-大日岳-AC】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 今までの悪天続きが嘘のように絶好のアタック日和。目指す大日岳がはっきり見渡せる。トレースは多少埋まっているものの、大日岳の肩までは順調に進む。そこから先膝位のラッセル。小大日岳(2370m)への急登も低木の間にルートを取る。時折現れる段差のラッセルに苦戦。またこの辺で風雪が強くなり顔が痛いのでゴーグルにチェンジ。小大日岳を抜けると稜線の一部のような巨大な雪庇が雪煙を上げている。一旦平坦になり、最後の登りを南側から巻くように登る。のっぺりしたコブの一番高いと思われる所の、雪庇を警戒して南側に寄った所をピークとする。立山、弥陀ヶ原、鍬崎山、富山湾が一望できる。雪庇で剱岳は見えない。写真を撮って引き返す。標識、FIXを回収しながら下り、順調に帰幕。

CT) AC(5:45)-大日岳の肩(7:50)-大日岳(9:50-10:00)-AC(13:20)

3月11日(木)  雨後曇 【AC-BC】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 重量の関係で2日かけてB.C.に荷を下ろす事を考えていたが、天気図からこの後何日か天候が悪化しそうであるために、今日一日でB.C.入りする事にする。朝から風が強く気温が高い。テント撤収後雨が降り出したので雨具を着る。アイゼンで出発するが下はさほど硬くなく、また非常に歩きにくいため途中でわかんに替える。替えると非常に歩きやすく、ペースが上がる。1480m付近の急斜面はメインFIXで通過。その後も急な所は特に慎重に。雪崩斜面も、最上部からFIX終了点まではメインFIXを付け足す。その工作・回収でかなり時間がかかってしまうが、無事通過し、B.C.入り。到着後、乙山、北村、森OBで下部偵察を丸山まで。他のメンバーでテント設営。ミーティング後、食糧解除一日分。

CT) AC(6:15)-BC(12:15)
    下部偵察隊 AC(12:25)-丸山(12:55)-AC(13:25)

3月12日(金) 曇 【BC-取り付き-千寿ヶ原】

メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 松本OB 森OB

 BCを後にし、標識を回収しながら順調に進む。FIXより上の急斜面にメインFIXを3P足す。通過後、2年2名で回収。待っている間1年生はクムジュン周辺で埋没とビーコン捜索を経験する。道路に出た所で服装をチェンジ。道路上に雪は全く無い。あとはただ黙々と歩き、全員元気に千寿ヶ原に到着。

BC(7:15)-取り付き(11:50-12:10)-千寿ヶ原(12:40)

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